ペットのサナダムシ（条虫症）について

サナダムシ（条虫）は犬猫によくみられる腸内寄生虫です。この寄生虫は、平べったく長く、体調は数メートルにも及び、宿主の腸内に寄生します。サナダムシの感染経路として一般的なのが、ノミを介して感染する瓜実条虫が原因となることが多いようです。ペットが何らかの理由でノミを食べてしまうことにより、ノミの体内にいるサナダムシの卵を取り込み、ペットの体内で孵化、成虫に成長してしまいます。

サナダムシによる症状は様々ですが、一般的な症状として、お尻を引きずる、嘔吐、下痢、体重減少などが見られます。症状がひどくなると、腹部が大きく膨らんだり、無気力になることがあります。サナダムシに寄生されている多くのペットには、症状が見られないことが多々あります。サナダムシの一部が排出されると、ペットの糞便中、または肛門のあたりに米粒のような物が確認できるので、注意が必要です。

ペットへのサナダムシ感染を防ぐには、定期的なノミ駆除が必要です。ノミはサナダムシの主な感染源であるため、ペットのノミ寄生を防ぐのがとても重要です。外用・内服薬でのノミ予防を定期的に使用することで、ノミの寄生を防ぐことができます。ペットを触った後は手を洗ったり、ペットの糞処理をすぐ行ったり、衛生管理を徹底することも重要です。特にノミが多く生息する地域では、定期的な駆虫も勧められています。

サナダムシに感染していると診断された場合、一般的な治療として駆虫薬を経口投与されます。状況と症状によっては、完全に駆除するために複数回の投与が必要になることもあります。また、再感染を防ぐ為にもノミの感染を防ぐことも必要です。治療後は、サナダムシに感染している兆候がないかペットの様子を伺い、獣医師の勧めに従い、定期的なノミ駆除・駆虫を続けることが大切です。