断耳（だんじ）、断尾（だんび）は非人道的な行為であるか

断耳や断尾は伝統的に行われてきたものですが、これらの待機的手術は犬に不必要な苦痛とリスクを与えるとして、反対派もいます。 

断耳（だんじ）、断尾（だんび）は非人道的な行為であるか

犬の体型は千差万別ですが、時として人間がペットの体型を無視し、覆してしまうことがあります。断耳や尻尾などの待機的手術は伝統的な方法ですが、ペットに不必要な苦痛や合併症のリスクを与えるとして、近年では反対派も多く、議論を呼んでいます。ここでは、話題になっている犬の待機的手術について、その背景を簡単に説明したいと思います:

ワーキングドッグ（使役犬）において、断耳や断尾は伝統的な行為であります。断耳や断尾によって、牧畜や狩猟をより巧みにこなせるようになったり、その犬種特有の外観が得られることが理由となっています。例えば、スポーティングドッグ（猟犬）は狩猟の際、深い下草の中を移動することが多いので、スパニエルなどの長毛種にとって、尾を刈ることは引っ掛かりを防ぐための実用的な手段でした。現在、アメリカン・ケンネル・クラブは、このような行為は犬種の特徴を維持すると主張しているが、反対派は不必要であると抗議し、ペットに苦痛を与えるものだと主張しています。 断尾は、子犬が生まれて間もなく、神経系が完全に発達する前に行われます。これは、尾の一部をハサミで切り取る痛みを軽減するためです。断耳は、麻酔をかけた状態で生後6〜12週齢の間に行われるのが一般的です。耳の外側を切り取るため、数週間の回復期間を必要とします。断尾は、オーストラリアやイギリスなど、世界の多くの地域で禁止されているが、アメリカではまだどちらの方法も認められているのが現状です。

身体の一部を切除する反対理由としては、手術部位に神経腫瘍ができ、しっぽを触られたときに痛みを感じるようになる可能性があることが挙げられます。また、犬は尻尾を使って他の動物とコミュニケーションをとるので、尻尾の一部を切除すると、尻尾を振って喜びや恐怖などの感情を表現することができなくなる可能性があります。切除やトリミングには、他の手術と同様に、全身麻酔や術後の回復に伴う合併症などのリスクが内在しています。統計によると、どちらの手術も一般的ではなくなりつつあり、トップクラスに位置するドッグショーに出場する犬で、断耳・断尾をされ参加犬が以前より少なくなってきています。

断尾や断耳は、最終的にはブリーダーや飼い主の判断に委ねられますが、どちらも待機的な処置であるため、医療行為に伴うリスクを伴う前に慎重に検討されるべきでしょう。